M&A売買金額が3分でわかる!バリュエーション・企業評価の決め方


M&Aの売却金額は、買い手側・売り手側の双方にとって、重要な情報のひとつです。買い手側は事業価値以上のコストを出してしまうとリスクが高まりますし、売り手側は売却金額がそのまま利益につながるので、金額を妥協することは難しいでしょう。

では、M&Aの売却金額は、一般的にどのように決められているのでしょうか?ここでは、バリュエーション・企業評価の決め方を分かりやすく解説していきます。

■バリュエーション・企業評価の決め方

バリュエーションとは、事業の経済性評価のことを指します。バリュエーションはそのまま企業への評価につながるので、M&Aの世界においては、「バリュエーション=企業評価」と認識されることもあります。

バリュエーションの計算方法は複数ありますが、一般的には「DCF法」と呼ばれる算出方法が多く使用されています。DCF法は、将来的に対象企業が得るキャッシュ・フローを現在価値に割引計算し、バリュエーションを算定する方法です。

DCF法は、主に以下のような特徴を持っています。

○メリット

・将来の収益をバリュエーションに反映できる

・売り手側、買い手側の会計処理方法が異なっていても、バリュエーションがその影響を受けにくい

○注意点

・将来的なキャッシュ・フローの見積もり、割引率などの条件を両社で設定する必要がある

・上記の条件によって、算出される数字が大きく変わる可能性がある

■DCF法によるバリュエーションの算出方法

では、次にDCF法の具体的な算出方法について見ていきましょう。DCF法の計算式は、下記の通りとなります。

企業のバリュエーション=時価純資産額+のれん代

上記の式を見て分かる通り、DCF法によって企業のバリュエーションを算出するには、まず時価純資産額を導き出す必要があります。時価純資産額は、主に以下のようなステップで導き出されています。

【1】企業の決算書を、税務会計をベースとした内容ではなく、企業会計をベースにしたものに修正する。

【2】不動産や保険積立金などの含み損益を明確にする。

【3】益金や損金の税効果を検討し、調整する。

【4】簿価純資産、含み損益、税効果を合計し、時価純資産額を決定する。

また、上記式の「のれん代」については、営業利益または経常利益の3ヶ年分~5ヶ年分が基準となります。つまり、DCF法は過去の実績をベースとして企業のバリュエーションを算出する方法となるので、「客観性が高い」といった特徴を持っています。

■バリュエーション=譲渡価格とは限らない

企業のバリュエーションは、あくまでもその企業の評価を数値で表したものです。したがって、M&Aにおいては必ずしも「バリュエーション=譲渡価格」という式が成立するわけではありません。

これは、現在のM&Aの手法が、市場での株式の買付や公開買付ではなく、「相対取引」によって行われているケースが多いためです。つまり、市場を介さずに当事者間で取引を行う方法が主流なので、M&Aの譲渡価格は「双⽅の合意額」が基準となります。

では、バリュエーションと譲渡価格が異なると、具体的にどのような現象が起こるのでしょうか?

【現象その1】⾚字企業、債務超過企業でも譲渡価格がつく

赤字企業、債務超過企業であっても、双方の合意内容によっては譲渡価格がつく可能性があります。例えば、売り手側の事業がスムーズに進んでいなくても、保有している資産に価値があると判断されれば、予想以上に譲渡価格が高くなる可能性もあるでしょう。

そのため、経営が赤字であったとしても、M&Aを簡単に諦めるべきではありません。自社の事業・資産・人材などに興味を持つ買い手企業を見つけられれば、キャピタルゲインを得て引退することも可能です。

【現象その2】バリュエーションよりも譲渡価格が下がる

当然ですが、合意内容によってはバリュエーションより譲渡価格が下がってしまう可能性もゼロではありません。買い手側も、基本的には「可能な限りコストを抑えたい」と考えているので、売り手側が妥協をすると、期待通りのキャピタルゲインを得られない可能性があります。

そのため、M&Aによって譲渡する場合には、買い手側の企業を慎重に選ぶ必要があるでしょう。

■バリュエーションの必要性

双⽅の合意額が基準になると聞いて、「バリュエーションは必要ないのでは?」と感じる方もいることでしょう。しかし、バリュエーションは企業の価値を正しく判断するための指標であり、バリュエーションを算出しておかなければ、売り手側・買い手側の双方が対象企業の適切な価値を把握することができません。

バリュエーションは双方が合意内容に納得するため、そしてスムーズに交渉を進めるために必要不可欠な情報です。M&Aを検討している方は、まずは今回ご紹介した算出方法に当てはめて、自社のバリュエーションを算出してみましょう。

■おわりに

自社のバリュエーションを把握することは、企業の今後の方向性を定めるために必要な行動となります。どのような買い手企業を探すべきか、どのようなタイミングや手法で譲渡するべきかなどを適切に判断するために、まずは自社のバリュエーションを把握するところから始めてみましょう。

参考URL:

DCF法による企業価値計算 - DCF法とは
http://dcfhou.jp/dcf%E6%B3%95%E3%81%A8%E3%81%AF

バリュエーションとは | ビジネススクールならグロービス・マネジメント・スクール
http://gms.globis.co.jp/dic/00872.php

企業価値の算定方法・バリュエーションの基本 | 経営者online
http://keieisha.zuuonline.com/archives/496

M&A
http://lawyerari.main.jp/body/MANDA.htm

時価純資産を算出する | 信金キャピタル株式会社
http://www.shinkin-vc.co.jp/category/business/ma/ma_jyoto/jika

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